水の硬度で違いがある石鹸の使用感

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石鹸の使用感は、水の影響を大きく受けます。

使用感とは特に泡立ちや洗浄力で、これは水に含まれるミネラル分(カルシウムやマグネシウム)の量で決まってきます。石鹸が水に溶けた状態では、成分がカルシウムやマグネシウムと結びついてしまい石鹸カスを作るので、カルシウムやマグネシウムの量が多ければ多いほど、洗浄力が落ちる結果に繋がるのです。

カルシウムやマグネシウムの量は、水の硬度としても表され、多いほど硬水で少ないほど軟水と呼ばれます。日本の上水道の多くは軟水なので、日本は石鹸を使うのに非常に適した国であると言えます。ただし、日本の上水道の硬度は幅があり、日本全体では軟水であっても、局所的には非常に硬度の高い水であることも少なくありません。特に地質の影響が大きいようで、例えば石灰質の土壌を持っているなど、水にミネラル分が溶けやすい要素がある地域では、水道水も硬水になりがちです。

日本に軟水が多いのは、川が短いためだと考えられています。国土が細長く海に囲まれているため大きな川は少なく急流で、雨水が川から海に流れていく時間は、諸外国よりも短くなります。
日本が森林の割合が多いといっても、短期間で水が流れてしまうのでは、ミネラル分が溶けだす時間が足りず、水の硬度がなかなか上がっていかないということです。

ミネラルウォーターが輸入されるようになって、特にヨーロッパの水が多く入ってきましたが、ペットボトルの表示を見てみると硬水が多い事に気付くでしょう。もし見つけたら少しもったいないですが、石鹸で手を洗ってみる実験をすると、泡立ちにくいのがわかるはずです。更にそのような水を使って石鹸で洗濯をすると、石鹸カスが衣服に付着してしまい、すすぐのが大変です。初めて洗濯用に石鹸を使うときは、自分の地域の水道水の硬度は調べた方が無難ですね。

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